9番目の戦車

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元刑事、という異色の経歴を持つ絵本作家、ときたひろし氏の作品です。


時は太平洋戦争末期。


南方の戦線でアメリカ軍と死闘を繰り広げる日本軍の部隊に所属する、9台の兄弟戦車が主人公です。


そう、この本ではあくまでも主役は戦車。


人間ではない、メカである戦車が主人公というところに、ときた氏の発想のユニークさが光ります。


映画『イノセンス』も人形をテーマとした作品でしたが、


http://d.hatena.ne.jp/Huma/20041123


モノを単なる道具としてみないというのは日本人特有の発想なのでしょうか?


物語が進むにつれ、ますます戦闘は激化し、主人公タンクロウの兄弟たちも失われていきますが…


ときた氏は、本書のあとがきで、こう語ります。

子供は絵本が大好きです。
特に小さい子供は、どんなに時代が進んでも、パソコンより絵本が好きです。
それは、本当は絵本が好きなのではなく、お父さんお母さんに絵本を読んでもらうことが好きだからではないでしょうか。

ただ本を読むといっても、どのような環境で読むのか、というのが大事ですね。


この本をきっかけとして、子供たちにはぜひ旧日本軍のことを知ってもらいたいし、親子で戦争や兵器について語り合うのもよいと思いました。