霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」

霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」 (文春新書)

霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」 (文春新書)

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霞ヶ関の「埋蔵金」問題を追及している、高橋洋一氏による新書です。


本書の中で高橋氏は社保庁の徴収部門を国税庁に統合することにより、大幅な節税がはかられると提言しています。

最近、後期高齢者医療制度、この名前が悪いというので、長寿医療制度となったけど、年金から保険料天引きということで評判か悪くなった。
これも、厚生労働省内だけでやることを最優先して、国民感情をみていない。
省庁セクショナリズムの悪い例です。
保険料も税と同じなんだから、社保庁の徴収部門を潰して国税庁に移せば、税といっしょに集められて行政のスリム化になる。
そうなっていないのは、社保庁厚生労働省の子会社、天領だとおもって手放さない。
こんな国税庁社保庁というへんてこな二重組織になっているのは、先進国では日本だけです。
長寿医療制度にしても、年金から保険料天引きといわずに、所得や資産に応じて税金も保険料も払っていただきます、その上で、長寿医療制度の保険料もその中でいただきますといえばいいんですよ。
ガソリン税で注目されている国土交通省道路特定財源のように制度的に決まっていると、各省庁が自分たちでそのお金を使えるというふうに思ってもしかたないんだよね。
そもそも、特定財源という制度はおかしいともいえます。

(本書 p.28より)


また、厳しい財政難の中で、税金の無駄遣いを慎むことの大切さも、繰り返し訴えています。

もともと中川秀直さんたち「上げ潮派」の理論というのは、一般会計予算の五百兆円もの資産をなるべく圧縮して、そのお金で国債を返してくれというものです。
政府は小さくなりましようという思想がある。
それと「埋蔵金」の資産負債差額の余剰金をとって小さくするということは、実は同じことなの。
なるべく政府資産を小さくして、それは民間に使ってもらいましょうという思想がまずあるわけ。

(本書 p.96より)


今、私たちにとって大切なことは、増税よりもまず節税であるということです。


先日、小飼弾氏にお話をお伺いする機会がありましたが、その中で軌道エレベータが1兆円程度の予算で建設可能なのではないかという話題が出ました。
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51146631.html


1兆円というと莫大な金額ですが、このような施設に約600億円ものお金を投じるよりは、有意義なお金の使い道ではないでしょうか。
http://www.cyzo.com/2008/09/post_966.html


私たちの税金がどう使われているのか関心のあるかたに、お勧めの1冊です。