ブッダの智慧で答えます 生き方編

ブッダの智慧で答えます:生き方編

ブッダの智慧で答えます:生き方編

本書ではテーラワーダ仏教の高僧、スマナサーラ長老が様々な立場の読者の質問に対してQ and A形式で答える形式になっています。
質問内容は千差万別かつユニークで、中にはこのような質問をしては少々失礼なのでは?と思われるような大胆な質問も数多く収録されています。

質問の内容を具体的にいくつかピックアップしてみると、「売春の是非」「殺生の是非」「お墓の是非」「解脱は脳内の錯覚では?」などというものが問われています。
そしてそれらの質問に対して、スマナサーラ長老はテーラワーダ仏教の立場から、合理的かつ具体的に答えを示されています。
このような点に、テーラワーダ仏教は宗教ではなく、科学に近いものであると考えるスマナサーラ長老の考えがよくあらわれているように思われます。

宗教の名の下に、美辞麗句を語ることは簡単です。
「正義」「平和」「安らぎ」「癒し」当然、誰でも求めるものでしょう。
しかし、私たちは現実にはそれらの目標を本気で求めることなくただダラダラと無為に日々を送っているのではないでしょうか。
そのような駄目な自分に活を入れるためにも、日々の生活に対して具体的な指針が必要です。
「平和に生きよ」と言われても、具体的にどうしたらよいのかわかりませんが、「酒を飲むな」と言われれば、何をすべきか誰にでもわかります。

願わくば、同様の質問に対して日本の仏教の高僧の方がいかなる返答をされるのか聞いてみたいと考えさせられた一冊です。