何が平和を壊すのか?

テレビをつけても、新聞を読んでも、毎日のように戦争のニュースばかりです。
しかも、それらは決して対岸の火事などではなく、今ここに私たち自身の問題として生じています。
本書では、そのような戦争を起こす原因についての分析が主要なテーマとなっています。
本書の著者であるスマナサーラ長老は、争いを好む人々が減らない理由を、人々の無知、無明から説明しています。
そして、無明を打ち破るには、いたずらに宗教の教えを盲信するのではなく、1つ1つその教えを吟味し、納得するまで確かめてみる必要があると説かれています。
それを実践するためには、極めて高い知性、すなわち智慧が必要です。
智慧を得るには、常に論理的に思考しなくてはなりません。
それはとても難しいことです。
ですが、私たちの明晰な思考によってのみ、くだらない争いを終結させることができるのであるならば、智慧を得るための努力を怠ることは許されないのでしょう。
ページをめくるごとに、毎日の生活を反省させられる一冊です。