地球化した世界へのメッセージ

Huma2007-06-29


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テーラワーダ仏教の高僧、ボーディ比丘による提言の書です。
翻訳は敬虔な仏教徒である、岸本雷太氏がされており、信頼できるものです。


テーラワーダ仏教の世界では、ボーディ比丘といえばマッジマ・ニカーヤなど経典の英訳で非常に高名です。
ブログ「ひじる日々」のajitaさんの言い方を借りれば、現代の三蔵法師のような人(id:ajita:20050910)です。


本書は、サイト「菩提樹文庫」から、どなたでも無料で


http://www.geocities.jp/bodaijubunko/h7.tikyu.htm


より、閲覧することができます。


貴重な書物が多くの人の手に届くのは、本当にありがたいことです。


さて、本書の主題ですが、グローバリズムが引き起こすさまざまな問題について語られています。
しばしばよくある誤解に、テーラワーダはヒーナヤーナ(小乗教)なので、俗世間に関心がない、という批判があります。
もちろんそんなことはぜんぜん無いわけで、本書でボーディ比丘は私たち一人一人がグローバリズムに対してどのような心構えを持つべきかを説いています。


そして、それらへの対応策として、無貪、無瞋、無痴の実践という具体策を提示します。
地球規模の大きな問題と、私たちの身の回りの問題に対処するための心の成長が、不可分なものだということがわかりやすく語られています。


仏教と社会のつながりに関心をもたれているかたに、おすすめの1冊です。