仏法

仏法―テーラワーダ仏教の叡智

仏法―テーラワーダ仏教の叡智

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タイ仏教を代表する学僧、パユットー師による仏教の教科書ともいえる本です。


数年前より私家版として流通してきましたが、入手が難しく幻の名著と呼ばれてきました。
今回、サンガから一般書籍として改めて刊行することになり、縁がありましてサイト管理人も、一部編集作業に携わらせていただきました。
本書は、私家版の「仏法」を大幅に増補改訂した完全版といえます。


著者のパユットー師は、沙弥にしてパーリ語9段を取得した天才的な学僧で、その手による仏教教理の整理は明晰さとわかりやすさをかねた稀有なものです。
前著『テーラワーダ仏教の実践』は講演録ということもあり、知足、不放逸など仏教徒がしっておくべき仏道の基本的概念を解説したものでしたが、今回はもともと大学の学部レベルの教科書として編纂されたものなので、その解説はより体系的なものとなっています。


五蘊、六処、三相など、改めて概念を理解することによりスマナサーラ長老の法話がよりわかりやすく理解できます。
また、それぞれの概念がお釈迦さまの言葉としてどのように定義されているかがパーリ経典からの豊富な引用でわかるようになっているため、通読することによりお釈迦さまの教えに確信が深まるような構成になっています。


スマナサーラ長老のご推薦も納得の傑作といえる1冊です。