ブッダと龍樹の論理学

ブッダと龍樹の論理学―縁起と中道

ブッダと龍樹の論理学―縁起と中道

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ナーガールジュナの思想を、論理学の方法を用いて分析を試みた本です。


また、著者はナーガールジュナの思想と当時の部派の思想との間に、断絶よりむしろ接点を見出しています。

龍樹以降、註釈者たちは多くは龍樹の思想に部派批判という特徴を見たのである。
しかし、著作をよく読むと、批判されているのは仏法とは異なる解釈と思われる思考であって、部派そのものに敵対しているのではない。
この点は、梶山博士も指摘するとおりである。
註釈書などの文献から印象づけられるほど、当時の仏教は、大乗と部派とが対立していたわけではないとひとこと述べておこう。

(本書 p.326より)


仏法の理解のみならず、現代社会を生きていくうえで、論理学を学ぶことは大変有益です。


論理学の概観を学ぶためには以下の本がおすすめです。

論理学

論理学

野矢氏の本で論理学というものに対するイメージができた後、実際に論理学を修習したい場合いくつかの方法が考えられますが、個人的にはタブローの方法の習得が一番無難で、わかりやすいのではないかと思います。

タブローの方法による論理学入門

タブローの方法による論理学入門

学生などで比較的時間があり、しっかりとしたベースを作りたいと思う場合の独習書としては以下がおすすめです。

論理学をつくる

論理学をつくる

なお、しばしば論理学を習得することによりディベートなどに勝てる、といったタイトルの本を見かけますがあまりおすすめできません。


人は、必ずしも論理の整合性によって説得されるわけではないので、その効果が限定的なものではないでしょうか。

むしろ、論理学を習得することにより、他者の語る論理の誤謬に敏感になり、奇妙なストーリーに誘導されなくなることの効用が大きいと思います。