マグダラのマリアによる福音書
- 作者: カレン・L・キング,山形孝夫,新免貢
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/12/16
- メディア: 単行本
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正典福音書(マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)に含まれないマグダラのマリアによる福音書を、ハーヴァード大学教授のカレン・L・キング博士が翻訳、解説したもの。
マグダラのマリアが何故娼婦として認識されるようになったかのいきさつを丹念に追っています。
また、正典福音書には描かれない初期キリスト教団の様子もこの文書から伺いしれます。
手はじめに、キリスト教の基本となった物語がいかに構築されてきたかを検討してみるとよい。
イエスと最初期の信奉者たちは一世紀に生きたが、世に知られるキリスト教は二世紀から四世紀にかけて捏造されたものである。
これらは、信条や正典が形成された世紀である。
その時に文書集としての新約聖書という構想が生まれ、その時に信条の宣言が正しい信仰の基準として使用されるにいたった。
一世紀のキリスト教徒には新約聖書もニカイア信条もなかったのである。
(本書 p.259より)
初期のキリスト教団において女性がたいへん活躍していたことがわかる1冊です。