Recommendation (こころからお願いしたいこと)

Huma2008-04-10



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鎌倉一法庵庵主、山下 良道師から、チベット問題に関するメールをいただきました。


山下師の許可を得て転載させていただきます。


原文より山下師の申し出により、一部削除しています。




皆さま


こんばんは


お元気ですか。インドの友人からダラムサラーの様子を伝える写真が送られてきました。彼女がダラムサラーを訪れたとき撮影したものです。メールの一節を以下に入れました。


「今ダラムサラでは、毎日夕方、日が落ちる頃、バス・スタンドからテンプル・ロードを通って、ダライラマ法王のご住居まで、キャンドルを持ったラマたちに先導されて、地元のチベット人や外人サポーターたちが行進しています。お寺の中庭には今回チベットの騒動で亡くなった人たちの写真が貼りだされ、皆でバターランプを灯し冥福を祈っています。また、24時間交代でのハンガーストライキも続いています。(写真は4月4日撮影)」


バターランプの代わりにロウソクとお線香をつけて、我々もまた、今回の犠牲者の冥福を祈りましょう。どうか、一刻も早くこの悪夢が終わりますように!


それにしても、その悪夢のような光景がロンドンやパリでも展開してしまいましたね。聖火リレーは本来なら"Journey of Harmony" 調和の旅となるはずなのに、この世界の「不調和」のさまをこれほど明らかにしてしまうとは、、
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,1728274,00.html


どうしてこうなってしまうのでしょうか。我々はこれから仏教徒して、この「世界全体の不幸」に、どういう態度でのぞむべきでしょうか。


この日曜日の瞑想会では「良心の声を聴くために」と題して、この問題を考えてみました。既にアップしております。
http://onedhamma.cocolog-nifty.com/blog/


今回はティク・ナット・ハン師の次の詩を、解説するかたちで、考えてみました。ハン師が、ヴィエトナム戦争のさなかに、これから苦難のなかに自ら飛び込んでゆこうとしている若いひとたちに呼びかけた詩です。題は、Recommendationつまり、こころからお願いしたいこと。この世の苦しみのまんなかで、どう「仏陀の子」であり続けることが出来るか?ヴィエトナムの戦争、そして現在のチベットの苦難を自分自身のものとして、引き受けながらお読みください。段落ごとに和訳をいれました。




Recommendation 
心からお願いしたいこと。


Promise me,
promise me this day,
promise me now,
while the sun is overhead
exactly at the zenith,
promise me:


約束してください。
今日、約束してください。
いま、約束してください。
太陽が我々の頭上に、
天の真ん中にあるこのときに、
わたしに、約束してください。


Even as they
strike you down
with a mountain of hatred and violence;
even as they step on you and crush you
like a worm,
even as they dismember and disembowel you,
remember, brother,
remember:
man is not our enemy.


彼らが、
山のような憎悪と暴力でもって
あなたがたを殴り倒したとしても、
虫けらのように、踏みつけにしたとしても、
体をばらばらにし、はらわたを抉り出したとしても、
私の弟たちよ、忘れないでほしい、
人間というのが、我々の敵ではないということを、
そのことを、こころにとどめてください。



The only thing worthy of you is compassion-
invincible, limitless, unconditional.
Hatred will never let you face
the beast in man.


あなたたちふさわしいたったひとつものは、
慈悲、
何ものにもまけない、限りなく大きく、無条件な慈悲。
憎悪によっては、決して人間のなかの獣を直視することはできない。


One day, when you face this beast alone,
with your courage intact, your eyes kind,
untroubled
(even as no one sees them),
out of your smile
will bloom a flower.
And those who love you
will behold you
across ten thousand worlds of birth and dying.


ある日、この自分のなかにある獣に、
まっさらな勇気と、慈悲の目で、迷うことなく、
たったひとりで向き合ったとき、
(たとえ誰がみていなくても)
その慈悲の微笑のうえにひとつの花が咲く。
あなたがたを愛するものたちが、
生死を、何千回とくりかえすあなたがたを、
見守り続けるだろう。


Alone again,
I will go on with bent head,
knowing that love has become eternal.
On the long, rough road
the sun and the moon
will continue to shine.


ひとりになって、また、
私は頭をたれながら歩み続ける。
慈愛が永遠のものとなったことを知りながら、
長い、石ころだらけの道を。
太陽と月がその私の上を、照らし続けながら。
(以上です)


ダライラマ法王さまが、苦しみのさなかにあるチベットのひとに呼びかけているものも、この詩とまったく同じことです。


我々もこの「約束」を守り続けてゆきたく思います。この約束のみが、われわれを、「仏陀の子」にしてくれるのですから。


では、また。
                        with Bodhicitta


一法良道 Sudhammacara Bhikkhu




菩提樹下ワンダルマ坐禅

内容 Present Moment Awareness 瞑想
     (アナパナサティ - 坐禅
いま、この瞬間をただ見つめてゆきます。その時に…

日時 毎週、日曜日午後一時より
一応休まず毎週連続しておこないます。

場所 一法庵  
    住所  〒248−0024  神奈川県鎌倉市稲村ガ崎1−9−32
    

交通 JR鎌倉駅にて江ノ電に乗り換え、五つ目の稲村ガ崎駅下車、徒歩五分。
    稲村ガ崎駅より線路沿いに極楽寺駅方面に向かって歩き、最初の踏み切りを右折。 しばらくゆき、「十一人塚」の角で、左折。小さな橋をわたり、左から二軒目。

差定 1:00 p.m. 法話ならび瞑想指導
  2:30 p.m. 瞑想
 3:30 p.m. 質疑応答
5:00 p.m. 終了 (但し時間の余裕のあるかたは残られてもかまいません)

参加費  お志しで結構です。

問い合わせ メール(sudhammacara@gmail.com)で願います。