世界が変わる現代物理学

世界が変わる現代物理学 (ちくま新書)

スマナサーラ長老はその著書のなかで、あえて言うならばテーラワーダ仏教とは宗教でも哲学でもないと語っておられます。
そしてそれらよりむしろ、仏教は科学に近いものであると指摘されています。
ですからテーラワーダ仏教徒にとって現在の科学、とりわけ数学や物理学の成果を学ぶことは、科学的なものの見方を身につけるためにも大切な作業であるといえるでしょう。
しかしながら、現代の最先端の数学・物理学は非常に複雑化しており初心者が容易に理解することは困難です。
物理学の初心者に現在の物理学者の目から見た世界像を伝える、そんな難題に挑んでいるのが本書です。そしてその試みはおおむね成功しているように思われます。
ループ量子重力理論、スピンネットワークなど、テーラワーダ仏教を理解するうえで役にたつコンセプトが盛りだくさんです。
テーラワーダ仏教徒で物理学好きの皆さんに本書を推薦いたします。