仏弟子の世間話

仏弟子の世間話 (サンガ新書)

仏弟子の世間話 (サンガ新書)

テーラワーダ仏教の高僧、スマナサーラ長老と芥川賞受賞作家で、僧籍も持つ玄侑宗久氏との対談本です。

基本的に玄侑氏が生徒役のようなかたちでスマナサーラ長老に問いを投げかけ、それに長老が応答するような流れで進行していきます。

本書をすばらしいものにしているのは、なんといってもこの玄侑氏の謙虚な態度です。
俗人なら、芥川賞作家でもあり、人気の文化人でもあるということで、人に教えを請うような態度はなくなってしまいそうなものですが、玄侑氏は違います。

常に学ぶことにどん欲な、純真な小学生のようにどんどん長老に質問を発していきます。

その熱意に応えるかのように、長老も興味深い仏教論を語ってくれています。
そのなかには、テーラワーダからみた「般若心経」の意義などユニークなものも含まれます。

玄侑氏の態度から、学習するものがとるべき姿勢を、改めて学ぶことができました。

『希望のしくみ』でテーラワーダ仏教に関心をもったかたが、次に読むのにおすすめの一冊です。

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