自殺と「いじめ」の仏教カウンセリング

昨今、いじめの問題が大きな社会問題となっています。
本書は、テーラワーダ仏教の高僧、スマナサーラ長老による日本のいじめ問題への緊急提言となっています。
従来の著書でも日本社会の諸問題に対して辛口なコメントを発してきたスマナサーラ長老ですが、本書ではその舌鋒はますます鋭さを増しています。
「正直、日本がこんなにひどい状況とは思いませんでした。こんなレベルの人間を相手にするとわかっていたら、この国に来ることはなかったと思います」(p.181)
そして、いじめられている人たちには、自分には生きていく権利があるのだ、ということを主張すべきと語ります。
このアドバイスを聞いて、私は「七人のマッハ!!!!!!!」というタイ映画を思い出しました。

捕らえられた将軍の奪回のため、武装集団がタイの小さな村を制圧する、というストーリーですが、物語の中の村民たちは悪漢たちに決して屈することはありません。
若者はいうに及ばず、お年寄り、子ども、ハンディキャップのある人たちも一丸となって立ち向かっていきます。
力は弱くとも、けっしてあきらめずに抵抗し続けるのです。
理不尽ないじめを一方的に受け入れてはいけない、ということを深く考えさせられる1冊です。

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http://d.hatena.ne.jp/ajita/20070305/p2