呼吸による気づきの教え

呼吸による気づきの教え―パーリ原典「アーナーパーナサティ・スッタ」詳解

呼吸による気づきの教え―パーリ原典「アーナーパーナサティ・スッタ」詳解

本書は、井上ウィマラ氏による、パーリ中部経典「アーナーパーナサティ・スッタ」の解説書です。
著者の井上ウィマラ氏は、テーラワーダ仏教での10年間の出家経験があり、現在は高野山大学スピリチュアル学科で教鞭をとられております。


「アーナーパーナサティ・スッタ」は呼吸の観察を主要なテーマとした経典で、他の経典と比べても詳細な修行の方法が書かれているため、極めて重要な経典であると考えられています。
本書では、ウィマラ氏の長年の研究を背景に、テーラワーダ仏教の伝統的な解釈の説明はもちろんのこと、キリスト教や心理学の視点から見た「アーナーパーナサティ・スッタ」の現代における意義、分析がなされています。
また、第3部「実践の道」では不浄観、無常観などテーラワーダの様々な修行法も概説されています。


巻末には「アーナーパーナサティ・スッタ」の全訳も掲載されており、原典を確認することができるなど、親切な作りになっています。
日本語で書かれた、テーラワーダ仏教の修行法を解説した貴重な文献と言えるでしょう。