怒らないこと

怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)

怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)

本書は、テーラワーダ仏教の高僧、スマナサーラ長老による「怒り」をテーマとした仏教の本です。
世間一般の常識では、怒りというものは、溜め込むよりはむしろ適度に発散させたほうがストレス解消にもなりよいと考えられる傾向があるようです。
ところが、仏教の世界ではそのような世間の常識とは180度逆に「怒らないこと」こそ重要で尊いのだ、と考えます。
この受け入れがたい考えを私たちに納得させるため、スマナサーラ長老は様々な角度から、怒りがいかに無意味でデメリットだらけなものであるかを詳細に分析し、解説していきます。
本書を読んで、仏教では「ドーサ(怒り)」をどのように考えているかより深く知りたい、と感じた人におすすめなのが『怒りの無条件降伏』です。

本書は、マッジマ・ニカーヤのなかの『ノコギリのたとえ』の本文の訳とその解説です。
この経典では、釈尊ご自身のドーサ(怒り)に関する見解が丁寧かつ詳細に記述されています。
たとえその身をノコギリによって切り刻まれようとするときでも、怒りの気持ちをこころにもってはならない、という釈尊の教えは極めて厳格でありながら、説得力のあるものです。
ドーサ(怒り)のメカニズムに関心を持ち、うまくそれをコントロールしたいと考えている人には、どちらも大変参考になる本といえるでしょう。