呼吸を感じるエクササイズ

呼吸を感じるエクササイズ (岩波アクティブ新書)

本書は、井上ウィマラ氏による、呼吸を対象とした瞑想の解説書です。
著者の井上ウィマラ氏は、テーラワーダ仏教での10年間の出家経験があり、現在は高野山大学スピリチュアル学科で教鞭をとられております。
本書の核となる第３章「呼吸による16の考察法」は、パーリ中部経典「アーナーパーナサティ・スッタ」をベースとした、呼吸の観察による瞑想の解説にあてられています。
ウィマラ氏による「アーナーパーナサティ・スッタ」の解説書としては、他に「呼吸による気づきの教え」が刊行されています。
「呼吸による気づきの教え」と本書の一番の違いは、本書が入門書であるということです。
いままでまったく瞑想などというものに関心のなかった人でも気楽に読めるような構成になっており、背景となる仏教の知識などなくてもスラスラと読んでいくことができます。
また、瞑想に初めて取り組む人は、長時間一定の姿勢をとることに慣れていない人が多いと思います。
そんな方のために、本書には、瞑想の前提となるような、ストレッチ的なエクササイズも写真入で多数収録、解説されており、とても参考になると思います。
「呼吸による気づきの教え」を読む前に、ぜひ読むことをおすすめします。