心を開く瞑想レッスン

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本書は、井上ウィマラ氏による、呼吸を対象とした瞑想の解説書です。
著者の井上ウィマラ氏は、テーラワーダ仏教での10年間の出家経験があり、現在は高野山大学スピリチュアル学科で教鞭をとられております。


本書には2つの大きな特徴があります。


第1の特徴は、実に70もの瞑想の方法が紹介されていることです。
これは、ミャンマーの僧院で古代から伝わる様々な瞑想法を研究していたウィマラ氏ならではのもので、他ではなかなか見られないものです。


第2の特徴は、赤裸々な告白に満ちたウィマラ氏の自伝の部分です。
自分の体験を自賛するところはまったくなく、自分にとって都合の悪い話なども積極的に書かれています。
両親との葛藤、お子さんとの別れ、パートナーのかたとの関係など、様々なエピソードを通じて瞑想の世界を探求するウィマラ氏の姿が浮かび上がってきます。
ウィマラ氏の正直な姿勢に、多くの読者が共感するのではないでしょうか。
チンナワンソ比丘の自伝と通ずるところがあるように思われます。
仏道の実践、といっても極端にストイックなものを求めるというのではなく、自然体なところから取り組んでもよいのだ、と励まされる気持ちになると思います。


仏道に限らず、スピリチュアルなものや親子関係に関心のあるかたにおすすめの1冊です。