「ダンマパダ」をよむ 上

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本書は、駒澤大学の片山一良教授による、NHKラジオ放送「宗教の時間」のテキストです。
タイトルは「『ダンマパダ』をよむ」となっていますが、ディーガ・ニカーヤ、マッジマ・ニカーヤをはじめとしたパーリ経典からの豊富な引用を盛り込み、釈尊在世時のサンガの姿を可能な限り再現しようとする努力がなされています。


釈尊在世時のサンガの記録としては、マハーパリニッバーナ・スッタなどがありますが、釈尊最晩年の記録と時期的に限定されており、それ以外の時期の記録はそれぞれの経典に断片的に記録されている傾向があります。
そのため、この講座のように、釈尊の誕生から入滅までを様々な経典からの引用で再構成したものは、私のような仏教の初学者にとってとても参考になるものです。
今から下巻が刊行されるのが楽しみです。


NHKラジオ講座のテキストということもあり、比較的廉価なのもうれしいですね。
大学の質の高い講座を聴講しているような気持ちになれる1冊だと思います。