ブッダ―大人になる道

ブッダ―大人になる道 (ちくまプリマー新書)

ブッダ―大人になる道 (ちくまプリマー新書)

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本書は、スリランカ出身のテーラワーダ仏教の高僧、スマナサーラ長老による法話を書籍化したものです。


今回の法話は埼玉県にある自由の森学園で行われたもので、中学生、高校生を聴衆に想定したものです。
そのため、いつものスマナサーラ長老の法話の中でもとりわけわかりやすく、仏教というものについてはじめて関心をもった人にとって入門書となるような内容になっています。
また、中・高生を対象とした講演だけあり、いじめや将来への不安などの問題で窮屈な思いをしているであろう若者に対して、即効性のある具体的なアドバイスも多くちりばめられています。


本書で、スマナサーラ長老は語ります

みなさんは、日本で生まれたからといって、死ぬまで日本にいなければならないということはありません。
本当はみんなに、地球スケールで生きてもらった方がありがたいのです。
人それぞれ、自分の能力を活かして、花を咲かせられる環境が必ずあります。


この地球の社会というプランターの中で、どんな種にも確実に咲く場所があるのです。ないはずがない。
(本書 p.149 より)

学校生活の中で居場所がない感じに苛まれ、疎外感を感じている若者にとって、これほど勇気づけられるアドバイスはないのではないでしょうか。
もちろん、本書の内容は子供向け、ということはなく仏道に関心のある大人が手にとってもきっと満足のいくものとなっているに違いありません。
編集もとても丁寧で、たいへん読みやすいものとなっています。


スマナサーラ長老の本をはじめて読むかたに、おすすめの1冊です。