禅キリスト教の誕生

禅キリスト教の誕生

禅キリスト教の誕生

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アエラ編集部、Tさんから紹介していただきました。


著者は聖書学者でありながら、深い参禅経験があり、その見地からヨーロッパのキリスト者たちがいかに坐禅に取り組んでいるかを明晰に語っています。


複数の論文を編んだものですが、『トマス福音書』を禅の立場から読み解いたものなど、興味深いものばかりです。


また、禅で重視される公案の語源がサンスクリットの「私は誰か(ko'ham)」に由来するものではないか(本書 p.194)など大変示唆的でした。


著者も指摘しているように、「私とは誰か」という問いはラマナ・マハルシも極めて重視したもので、比較的形式化された現在の公案に比べ、純公案的なものはこのようなものだったのかと、いろいろと想像させられました。


キリスト教と禅のつながりに関心のあるかたにおすすめの1冊です。


また、著者の佐藤研氏も翻訳者として加わっている、岩波書店


新約聖書

新約聖書


はとても読みやすいので、こちらも聖書を読んでみたいと思っているかたにお勧めいたします。