ベーシック・インカム

ベーシック・インカム―基本所得のある社会へ

ベーシック・インカム―基本所得のある社会へ

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日本ではまだ馴染みの薄い、ベーシック・インカムについて紹介した本です。


では、ベーシック・インカムとは、どのようなものなのでしょうか?


本書の解題者の小沢修司氏によると

ベーシック・インカム構想というのは生活に最低限必要な所得をすべての個人に無条件で支給することによって「万人の真の自由」と無条件な生存権を保障しようという構想であり、戦後「福祉国家」における社会保障制度が機能不全するなか、「生活を支える新しい社会政策」として注目を集めてきている考え方である。
ベーシック・インカムの支給に伴って、現行の社会保障給付のうちの現金給付部分(年金、生活保護、失業保険など)が廃止される。
個人所得税制における所得控除は不要になり税制と社会保障制度の統合が実現する。
社会保険料の徴収や記録に関わっていた「役所」や経費は不要となり、福祉給付で不可欠であった選別主義的な資力調査(ミーンズテスト)に用いられる行政経費も不要となる。

(本書 p.200より)


というものだそうです。


こう聞くと、いいことずくめで導入したほうがよいのでは、と思う反面、そんなのできっこないよ、という声も多くあがると思います。


本書では、これらの多くの疑問に対し、著者のヴェルナー氏が一つ一つ丁寧に答えていくという形式をとっています。


著者のヴェルナー氏の経歴が、政治運動家や研究者というのではなく、ドラッグストアの店員見習いから刻苦勉励して、ヨーロッパで約1500の店舗を持つドラッグストアチェーン「デーエム」の経営者になった人というのもユニークで面白いですね。


最近では、日本でもベーシック・インカムや類似の発想である「負の所得税」の考えが浸透してきたようで、


ブロガーの小飼弾


http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50907051.html


ブロガーの池田信夫


http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/855d2fe7c6f54dda2eeb83eab2e0178e


もブログで取り上げていますね。


このアイディアについて、もっと議論が活発になるとよいな、と思いました。