ダライ・ラマのビジネス入門

ダライ・ラマのビジネス入門 「お金」も「こころ」もつかむ智慧!

ダライ・ラマのビジネス入門 「お金」も「こころ」もつかむ智慧!

にほんブログ村 哲学ブログ 仏教へ


ダライ・ラマ法王と、国際的経営コンサルタントのローレンス・ファン・デン・ムイゼンバーグ氏による、仏教的ビジネス入門書です。


仏教とビジネスと聞くと、多くの人は無関係なものと感じるのではないでしょうか?


しかし、スマナサーラ長老の『自立への道』のレビューでも書いたとおり


http://d.hatena.ne.jp/Huma/20080804


仏教は、己の解脱のみを求め、社会のありように背を向けたものなどではなく、主体的に社会に関わり、その発展に寄与貢献できる人間を育てる道です。


とはいっても、現実には、私たちを取り巻く社会は、生き馬の目を抜くほどの競争社会です。


子どもの頃から、非情な策略、暴力の世界に生きているというのが現実でしょう。


http://d.hatena.ne.jp/Huma/20080816


へこたれてしまいそうなほどの、厳しい社会です。


では、そんな社会で私たちはどのように生きればいいのでしょうか?


ダライ・ラマ法王は苛烈な現代社会を生き抜くための、珠玉のアドバイスを本書で与えています。

自分本位な考え方は、ネガティブな考えを生み出します。
ネガティブな考えとは、自分が他人に与えるかもしれない影響を考えない、ということです。
人をだます、嘘をつく、悪意の隠蔽、攻撃、怒り、傲慢、嫉妬、敵意、恨みーーこういったことはすべてネガティブな考えや感情です。
ネガティブな感情を抱かないようになると、すぐに他人との関係がすばらしく改善されたことに気づくでしょう。
単純なことなのです! 人は、自分にしか興味がない人よりも、こちらのしあわせを考えてくれる人とつきあいたがるものです。
多くの人がまったくこのことに気づいていません。
誰かに会っても、その人にはまったく興味を示さず、自分の考えを相手に押しつけようとしたり、自分が優れた人物であると思わせようと躍起になったりするのです。

(本書 p.23より)


このように、私たち労働者にアドバイスを与える一方で、ダライ・ラマ法王は企業の使用者の側にも自覚を求めています。

企業の役割は「時価総額を最大にする」だけではなく、責任ある行動をとり、「顧客を生み出し、満足させる」こと。
企業がそう考えてくれればいいとわたしは思っています。

(本書 p.126より)


八正道の正業とは何か、ということを深く学びたいかたにおすすめの1冊です。