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アンジェリーナ・ジョリー主演のアクション映画です。



サラリーマンとして毎日惨めな生活をおくるウェスリー(ジェームズ・マカヴォイ。『ナルニア国』物語のタムナスさん役で有名)。


ある日、謎の組織から「君は、選ばれし人間だ。ぜひ我々の仲間に…」と誘われたときから、彼の人生は一変します。


それまでの惨めな生活とは180度異なる、「生きる意味のある」生活に彼は没頭していきますが…


この物語と同様な構造の罠は、あらゆる宗教、政治的組織につきもののものと思われます。


その罠を注意深く回避するためには、自分が関わる組織の「真理」が歴史的にどのように編成されてきたかに敏感であることでしょう。

すでに述べたようにフーコーは、哲学のつとめは真理が自明なものでも普遍的なものでもなく、歴史的に作られたものであることを暴露することによって、その真理の絶対性を崩壊させることにあると考えていた。
絶対的な真理が存在するのではなく、個々の真理は自由な主体の行為としてしかあり得ないと考えると、すべての主体は自分なりの真理の確立に参加することができる。
そこでは真理は一つのゲームとして機能しているのである。

(『フーコー入門 (ちくま新書)』 p.23より)


そのような意味で、宗教、政治的組織に関わるかたに、ぜひお勧めの映画と言えるかと思います。


町山智浩さんによる解説もわかりやすいです。


http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20080816